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非共鳴マイクロ波を用いたプラズマ生成 ―ウクライナ・ハルキウ物理技術研を共同研究で支援―

Research Topics / 研究トピックス

概要
磁場を用いた核融合研究では、安定に信頼性良くプラズマを生成することは核融合プラズマ放電に必要不可欠です。京都大学エネルギー理工学研究所 長﨑百伸 教授、小林進二 同准教授らの研究グループは、磁場閉じ込め核融合プラズマ実験装置Heliotron Jにおいて、ウクライナ・ハルキウ物理技術研究所 研究員 Yurii Kovtunh博士、ドイツ・マックスプランク・プラズマ物理研究所 研究員Heirich Laqua博士、同研究員Torsten Stange博士と共同研究を行い、電子サイクロトロン共鳴のない条件において10kW程度の2.45GHzマイクロ波を入射し、生成されたプラズマの特性を明らかにしました。通常の密度上限を越えるプラズマ生成に絶縁破壊、予備電離プラズマの生成、準定常プラズマの3段階のプロセスがあること、電子密度に線形・非線形の時間発展過程があること、また、入射パワー調整により定常パワー入射より高い密度を得られることを見つけました。この成果は、磁場に依らずにプラズマを生成することにつながり、今後、核融合プラズマの運転領域の拡大が期待されます。

本研究成果は、2023年にウクライナの国際学術誌「Problems of Atomic Science and Technology: Plasma Physics」にオンライン掲載されました。

エネルギー理工学研究所はウクライナ・ハルキウ物理技術研究所と研究協力協定を締結しており、Heliotron Jグループは先進ヘリカル系プラズマの閉じ込め、プラズマ・壁プロセス、高周波によるプラズマ生成と加熱に関する共同研究を進めています。Kovtun博士は2020年・2021年に遠隔でHeliotron Jプラズマ実験に参加し非共鳴マイクロ波を用いたプラズマ生成のデータ収集・解析を行ってきました。ハルキウ物理技術研究所はロシアからの攻撃を受け、Kovtun博士はハルキウから退避、リビウでの滞在を余儀なくされています。その様な厳しい環境下でも共同研究を継続され、本論文の掲載に至りました。

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詳しい研究内容について

2023年5月2日 読売新聞掲載(転載許諾済)

エネルギー生成研究部門 プラズマエネルギー研究分野

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